声優の年収は安い？現実やアップさせる方法を解説

キャラクターや映像に命を吹き込む声優に憧れ、志す方が気になるのはその“現実的な収入”。アニメやゲームなどで活躍する姿に夢を抱く一方で、「食べていけない」といった厳しい噂も耳にします。実際の声優の年収はどれほどなのでしょうか？

本記事では、声優の年収の相場や仕事の仕組み、収入をアップさせるための具体的な方法などについて詳しく解説します。

声優の年収はいくらくらいなのでしょうか。ここでは声優の年収実態や収入の仕組み、所属や仕事内容による違いなどについて詳しく解説します。

年収の相場

声優全体の平均年収は約200万円、中央値で約300万円といわれており、日本の平均年収よりも低くなっています。しかし、実際には声優の年収は仕事の種類や作品数、経験年数などさまざまな要素で大きく変動するため、個人差がかなり大きくなります。

例えば新人声優の場合、年収は数十万円から100万円前後といわれており、アルバイトなどで生活を支えている人も少なくありません。一方で、人気アニメやCMなどで活躍するトップクラスになると、1,000万円以上、場合によっては数千万円以上の収入を得ていることもあります。このように声優の年収は個人によって大きく異なるため、平均年収が低いというだけではなかなか測れないというのが実態です。

参照元：@AUDITION（https://ataudition.jp/blog/86039/）

収入の仕組み

声優の収入は出来高制が一般的です。収録で得られるギャランティは、基本的に「ランク制」に基づいて支払われることが多くなっています。ランク制とは日本俳優連合が定めた報酬基準で、作品の本数や尺ごとに収入が決められており、セリフの量に関係なく、ランクに基づいて報酬が支払われます。ランクは「ジュニアランク」「ランカー」「ノーランク」に分かれています。

ジュニアランクは、デビューから3年間が該当し、報酬は1作品につき一律15,000円と定められています。
ランカーに昇格すると、報酬は作品の長さに応じて支払われるようになり、30分あたり15,000円からスタートします。ランクが上がるごとに1,000円単位で増額され、経験や実績に応じて収入も上がっていきます。
さらにノーランクになると、報酬は出演ごとに自由に交渉が可能となり、自身の実力や知名度によって高単価の仕事を受けることも可能になります。

事務所所属とフリーランスの違い

声優の働き方は事務所所属かフリーランスのいずれかに大別されます。事務所所属の場合、事務所からのオーディションや仕事の斡旋を受けられる点や、マネージャーなどや研修などのサポートを受けられる点が大きなメリットです。一方、報酬面では、一部をマネジメント料として事務所に支払う必要があるため、手取りは減少します。

フリーランスの場合は、逆に仕事の獲得やスケジュール管理など、営業・マネジメントを自分ですべて行う必要があるため、実績や人脈がないと仕事の獲得が難しいのが特徴ですが、報酬面では、全額を自分で受け取れるのがメリットです。どちらの働き方が適しているかは、個々の環境やこれまでの経験により異なります。

仕事内容による違い

声優の仕事にはアニメ・ゲーム・ナレーションに加え、舞台出演やラジオパーソナリティなどもあり、こうした仕事内容によって収入は大きく異なります。たとえば、テレビアニメの仕事は一般的に単価が低めで拘束時間も長いため、収入が安定しにくいといわれています。一方、ゲームやナレーションなどは、1案件あたりの単価が比較的高い傾向にあります。

次に声優が年収をアップさせる方法について詳しく解説します。

単価の高い仕事を探す

1つ目の方法は、単価の高い仕事を探すことです。アニメの収録は基本的に単価が低い傾向にあるため、それだけで生活するのは難しいケースがあります。一方でCMナレーションや企業向け音声、ゲームなどは比較的単価が高い分野とされています。なかには、1案件で数十万円の報酬が発生するケースもあるようです。

また、ライブイベントやファンクラブ、グッズ販売といった2次利用・3次利用で収入を得る仕組みを構築するのも有効です。これらの活動を通じて、出演料以外の収入源を確保できるため、収入の安定や向上につながります。

主要キャラクターを演じる

2つ目の方法は、主要キャラクターを演じることです。アニメ出演の報酬は、多くの場合ランク制に基づいて決定されます。つまり、収入を増やすにはできるだけランクを上げることがポイントです。ランク制では出演する話数が多いほど収入が上がる仕組みのため、登場回数の多い主役クラスを演じることで、収入アップが見込めます。

また、ゲームキャラクターの場合は、セリフ量やCMなどへの転用に応じて報酬が決まるため、メインキャラクターを演じればそれだけ報酬はアップします。いかに主要なキャラクターを演じられるかが年収を大きく左右するでしょう。さらに、主要キャラクターを演じることで視聴者からも認知されやすくなり、イベントへの参加など、出演以外での収入アップにもつなげられます。

仕事の幅を広げる

3つ目の方法は、仕事の幅を広げることです。アニメ出演の報酬は声優業の中でも低めのため、相場の高いゲームやナレーションなど分野を広げるのがおすすめ。また、年収をアップさせるには「声優業」だけでなく、関連分野に活動を広げるのが効果的です。

たとえば、Youtube活動や司会業、ステージ出演、声優養成所での講師など、幅広く仕事を行うことで、収入を安定させることが可能です。

スキルを高める

4つ目の方法は、スキルを高めることです。声優としてのスキル・実力は、年収アップには必須です。実力が認められることで、より多くの作品、より主要なキャラクターに出演する機会が得られます。多様な声質をコントロールするために、ボイストレーニングや口・舌のストレッチ、感情表現など、スキルアップを目指しましょう。

感情を豊かに表現することでキャラクターの魅力を引き出すことができ、出演作品の増加や年収アップにつながります。

最後に、声優の年収に関してよくある疑問について詳しく回答します。

報酬が高い仕事はありますか？

テレビCMのナレーションや企業PR案件は、1本あたり数十万円以上といった高単価であることも珍しくありません。また、人気ゲームタイトルのキャラクターボイスも高報酬であることが多く、知名度のある声優が起用される傾向にあります。

声優の専門学校を卒業すれば稼げますか？

専門学校を卒業したからといってすぐに稼げるわけではありません。声優の収入は、作品に出演して初めて発生します。駆け出しのときには、1つの仕事を受注するだけでも狭き門です。専門学校の卒業はあくまでスタート地点であり、卒業後にどれだけ努力するかがポイントです。

副業や兼業で年収はアップしますか？

副業や兼業で年収をアップさせることは可能です。最近では、ボイスアプリでの収録、副業YouTube、スキル販売プラットフォームでの音声提供など、声優のスキルを活かせる副業の場も増えています。ただし、本業とのバランスを考慮し、体調管理やスケジュール管理を徹底することが大前提です。

声優の年収は平均値でみると決して高くはありません。しかし、スキルや活躍次第で大幅な収入アップも可能な夢のある職業です。年収を大きくアップさせるには、仕事内容や収入の現実を知ったうえで戦略的に行動していくことが重要です。

アニメ業界・声優業界については以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

≫アニメ制作に関わりたい！3つの工程と仕事の種類を紹介！

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