キャラクターを活用したプロモーションとは？方法・ポイント・事例を紹介

企業や自治体の広告やSNSで目にするキャラクター。その可愛らしさや親しみやすさに惹かれた経験がある方も多いのではないでしょうか。

実は、キャラクターは単なる“マスコット”ではなく、企業やサービスの魅力を伝えるプロモーション戦略の一環として活用されています。本記事では、キャラクターを活用したプロモーションの定義やメリット・デメリット、成功事例や職種情報までを徹底的に解説します。

キャラクターを活用したプロモーションとは、企業や自治体などが独自のキャラクターを通じて商品やサービス、ブランドの認知度や好感度を高めるマーケティング手法のことです。親しみやすいキャラクターを通して、ユーザーとの感情的なつながりや信頼感を生み出すことができる点が大きな特徴です。ここでは、キャラクタープロモーションの基本的な考え方と、その特性をより深く理解するための視点について紹介します。

マーケティングとの違い

一般的なマーケティング施策は、製品の特徴や価格、販路、広告戦略などを用いて顧客の購買行動を促進する活動を指します。一方、キャラクタープロモーションは、キャラクターを活用して、ブランドやサービスとユーザーとの感情的な接点を創出する点が大きな違いです。特にSNSやテレビCMでは、キャラクターが登場することで親近感を持ったり、認知度が高まったりすることで、感情的に強い訴求力が生まれる点が特徴といえるでしょう。

より詳しいマーケティングとの比較や概要は、こちらの記事でも紹介しています。

≫キャラクターマーケティングとは？成功例や会社への就職・転職方法も紹介

メリット

キャラクタープロモーションの最大のメリットは、ブランド認知度の向上につながるという点にあります。親しみやすいデザインや個性豊かなキャラクターを通して、企業やブランドのメッセージを直感的に伝えることができたり、ファン化を促進したりすることが可能です。

また、SNSやグッズなどを通じてファンとの継続的な接点を作ることができるため、ロイヤルユーザーの育成につながる点もメリットでしょう。さらに、子どもから高齢者まで幅広い層にリーチできる点も特徴です。

デメリット

一方で、キャラクタープロモーションにはいくつかの課題も存在します。まず、キャラクター制作や運用には一定のコストと時間がかかる点が挙げられます。また、キャラクターの言動や使い方によっては企業イメージと乖離したり炎上のリスクを伴う可能性もある点はデメリットといえるでしょう。

さらに、キャラクターの印象が先行しすぎて、本来伝えたい商品やサービスの訴求が弱まるケースもあるため、バランス感覚が求められるでしょう。

方法

キャラクタープロモーションを成功させるには、単にキャラクターを作るだけではなく、ブランドとの一貫性や目的に応じた運用戦略が必要です。まずはターゲット層を明確にし、それに合わせたビジュアルや性格設定を行います。

次に、どのようなチャネル（SNS、店頭、広告など）でキャラクターを活用するのかを設計し、定期的な発信やイベントを通じてファンとの接点を構築していきます。これにより、キャラクターを「ブランドの顔」として認知度向上につなげ、ファン化を促進していく必要があります。

ポイント

成功するキャラクタープロモーションにはいくつかの共通点があります。まず、世界観に一貫性があること。どんな場面でもキャラクターの性格や価値観がブレずに表現されることが重要です。

次に、ファンとの対話を重視した運用が鍵となります。SNSでのやりとりやイベントでの登場を通じて、キャラクターが実際に存在しているかのように感じさせることで、ユーザーとの信頼関係をいかに構築できるかが重要になるでしょう。

業務の魅力

キャラクタープロモーションに関わる仕事には、想像力と戦略性の両立が求められます。キャラクターのデザインや物語を作るクリエイティブな面だけでなく、ターゲット層への訴求など、マーケティングの視点も必要です。

とくに近年では、デジタルマーケティングやSNS運用スキルが活かされる職種としても注目されています。キャラクターデザインは、デザインがユーザーへの訴求に大きな影響を与える要素となるため、自分の考えたキャラクターが広くユーザーに愛されることは大きな魅力です。また、単なる広告以上に、キャラクターを通してブランドとユーザーを繋ぐ“架け橋”となる仕事は、大きなやりがいがあります。

ここでは、実際に企業や自治体が取り組んだ代表的なキャラクタープロモーションの事例を紹介します。

ペコちゃん

不二家の「ペコちゃん」は、昭和から続く老舗キャラクターです。1950年に不二家の店頭人形としてデビューして以来、現在もなお店頭やパッケージ、広告に登場し続け、不二家の代名詞的存在として多くのユーザーから愛されています。

ペコちゃんといえばかわいく舌を出しているのが特徴。その特徴は、時代を超えて親しまれる安定したビジュアルとキャラクター性にあります。商品の甘さや安心感を象徴する存在として、長年にわたりブランドイメージの核を担っています。

参照元：株式会社不二家公式HP（https://www.fujiya-peko.co.jp/pekoroom/）

楽天お買いものパンダ

「楽天お買いものパンダ」は、楽天の買い物体験を楽しくポップに演出する存在として誕生しました。CMでの可愛い歌とダンスで記憶に残っている人も多いのではないでしょうか。楽天お買いものパンダはLINEスタンプやアニメ動画、限定グッズ展開など、マルチチャネル戦略でファンを獲得している点が特徴です。日常的に親しめるポーズや表情のバリエーションも多く、SNS映えするビジュアルが人気の秘訣です。

参照元： 楽天市場（https://event.rakuten.co.jp/okaimonopanda/）

参照元：楽天コンテンツセントラル（https://www.rakuten-ipcontent.com/Anime-Okaimonopanda/）

ちいかわ

X（旧Twitter）での連載漫画として、切なくもちょっとハードな日常を描く世界観とかわいいキャラクターで若年層を中心に爆発的な人気を誇る「ちいかわ」。書籍化やアニメ展開を経て、企業とのコラボレーションも積極的に実施しており、キャラクターや世界観の魅力を活かしたプロモーションの好例と言えるでしょう。

参照元：映画.com（https://eiga.com/news/20240705/21/）

ポケモン

世界的な人気を誇るポケモンは、国内外のさまざまな企業とコラボし、プロモーションの形を常に進化させているのが特徴。たとえばファミリーマートとのタイアップでは、同店の独自アプリ「ファミペイ」を活用したスタンプラリーでファンとの接点をリアル店舗で生み出し、ファン層の拡大とブランド価値の向上に貢献しました。

また「ナカノスタイリングタント」は、ポケモンのコンテンツのひとつであるポケモンカードゲームに欠かすことのできないエネルギーカードをイメージしたオリジナルデザインのボトルでコラボしています。

参照元：Walkerplus（https://www.walkerplus.com/article/1147143/）

参照元：ファミリーマート公式HP（https://www.family.co.jp/campaign/spot/2503_famipay-stamp_pokemongo_cp.html）

ひこにゃん

滋賀県彦根市のキャラクター「ひこにゃん」は、観光プロモーションに成功した自治体事例のひとつ。地元の歴史や文化をモチーフにしつつも、柔らかいビジュアルと親しみやすさからキャラクターとしての人気もあり、メディアへの露出なども含めて全国に認知が広がった例です。キャラクターの存在が市の観光資源のひとつとして定着しており、地域の人にも愛される存在となっています。

参照元：彦根市公式HP（https://www.city.hikone.lg.jp/kanko/event/5/index.html）

キャラクタープロモーションに関わる職種には、キャラクターデザイナー、企画プランナー、SNS運用担当、広報、ライセンス管理担当など多岐にわたるポジションがあります。キャラクターデザイナーはクライアントから受けた依頼に沿う形でキャラクターをデザインしていきます。近年ではAIを用いたキャラクター生成やCGキャラクターへの需要も高まっており、これらのスキルがある場合は、転職に有利な面もあるでしょう。

またキャラクターデザインだけでなく、企画プランナーやSNS運用担当など、マーケティングに関する職種としてキャラクタープロモーションに関わることもあります。とくに、マーケティングとデザインの知見を掛け合わせたハイブリッドなスキルセットが求められる点が大きな魅力です。

キャラクタープロモーションに関連する職種については、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてください。

≫キャラクターマーケティングとは？成功例や会社への就職・転職方法も紹介
≫キャラクターデザインの考え方！関連職種も紹介

キャラクタープロモーションは、単なる販売促進ではなく、ユーザーとの物理的・感情的な接点を通じて、認知度向上やブランドイメージを育てる施策として多くの企業や自治体に活用されています。キャラクタープロモーションは、ユーザーとの感情的な接点をいかに作り出し、高い訴求力を生み出すかが重要です。世界観に一貫性をもたせたり、SNSなどを通じたユーザーとの対話を増やしたりすることが成功のポイントです。

自分が生み出したキャラクターがユーザーに愛され、クライアントとなる企業や自治体の象徴的な存在として寄与することは、大きなやりがいとなるでしょう。キャラクター制作・プロモーションに関わる仕事に興味のある方は、ぜひ求人情報ページもチェックしてみてください。