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VTuberの2Dと3Dの違いとは?モデリングや制作工程を徹底解説

VTuberの2Dと3Dの違いとは?モデリングや制作工程を徹底解説
最近ではYouTubeなどで活躍する「VTuber」が身近になりました。VTuberのキャラクターモデルには「2Dモデル」と「3Dモデル」という2つの表現方法があります。

本記事では、2Dと3DのVTuberモデルの違いをわかりやすく整理し、どんな場面でどちらが向いているのか、制作工程の概要もあわせて解説します。これからVTuberモデルの制作に携わりたい方は、構造や工程を理解する参考にしてみてください。

VTuberの2Dモデルと3Dモデルの基本的な違い

VTuberの2Dモデルと3Dモデルの基本的な違い
2Dモデルは、イラストパーツごとに分けて動かす「Live2D」という技術を用いたものです。キャラクターの顔や体をなめらかに動かすことができ、表情の変化もアニメのように自然に表現できます。

主に配信や雑談、歌唱コンテンツを中心に活動するVTuberの制作現場では、2Dモデルの採用が一般的です。追加の表情パーツやエフェクトを組み合わせることで、より感情豊かな演出も可能です。

一方の3Dモデルは、立体的にモデリングされたキャラクターを使用します。全身の動作や自由なカメラワークが可能で、ライブステージやイベントなどで高い表現力を発揮します。ただし、リアルな動きに重点が置かれるために、2Dモデルに比べると表情の柔らかさがやや乏しい傾向があります。

上記をまとめると、2Dモデルは繊細な表情やアニメ的表現に優れており、3Dモデルは全身を使った動きのある演出に適しているのが特徴です。

VTuber2Dモデルの特徴と制作工程

VTuber2Dモデルの特徴と制作工程
VTuberの世界で最も多く使われているのが、イラストをパーツごとに動かす2Dモデルです。3Dモデルに比べると安価に制作できます。

ここからは、動きの仕組みや制作の流れ、使用されるツールについて詳しく紹介します。

構造と動きの特徴


2Dモデルは、一枚のイラストを目や口、髪などのパーツごとに分けて動きをつけたアバターのことです。

Live2Dという、イラストにメッシュを打ってなめらかに動かす技術を用いることで、平面のイラストでも立体的に見える自然な動きを再現できます。例えば、表情の変化や視線の動き、口の開閉などを細かく調整できるため、キャラクターの感情表現を豊かにすることが可能です。

さらに、追加のモーションやアクセサリーパーツを設定することで、より個性的で魅力的な演出も実現できます。

ただし、動作の中心は上半身に限られることが多く、全身を自由に動かすことは難しい点が3Dモデルとの大きな違いです。その分、アニメのようなかわいらしい動きや表情の演出に強みがあります。

制作工程と使用ツール


2Dモデルの制作は、まずイラストを「Photoshop」などのペイントソフトでパーツごとにレイヤー分けすることから始まります。そのあと、「Live2D Cubism」というソフトを使って動作の設定を行い、キャラクターがまばたきや口パク、表情の変化を自然にできるよう調整します。

さらに、完成したモデルを「OBS Studio」や「Animaze」などの配信ソフトと連携させることで、顔認識やモーションキャプチャに対応できるようになります。

このように工程はシンプルで、個人制作でも対応可能な範囲であり、受託案件や自主制作にも向いています。

VTuber3Dモデルの特徴と制作工程

VTuber3Dモデルの特徴と制作工程
3Dモデルは、VTuberの動きを立体的に表現できます。ここでは、3Dモデルならではの構造や動きの特徴、制作の流れや使用ツールについて詳しく見ていきましょう。

構造と動きの特徴


3Dモデルは、立体的な骨格(ボーン)とモーション制御によって、キャラクター全体の動きを表現できるのが大きな特徴です。

全身を使った自然な動作が可能なため、「ダンス」や「ライブ配信」などの空間的な演出に適しています。また、カメラワークの自由度が高く、アングルや距離を自在に変えられることから、「アニメ」や「ミュージックビデオ」などの映像作品にも多く活用されています。

VTuberの3Dモデルは、モーションキャプチャによって動かすのが一般的です。モーションキャプチャには、カメラとマーカーを用いる「光学式」、センサーを用いる「慣性式」、カメラのみで動きを捉える「マーカーレス」の3つの方法があります。

個人VTuberは手軽に導入できる「マーカーレス」、企業や事務所に所属するVTuberは高額ながら高精度な「光学式」を採用することが多いです。

制作工程と使用ツール


3Dモデルの制作は、まずキャラクターの立体的な形を作る「モデリング」から始まります。次に、動きをつけるための骨格構造を設定する「リギング」や、質感を与える「テクスチャ設定」を行い、最後にモーションキャプチャと連携して実際に動かせるようにします。

実際に使用されるツールとしては、「Blender」や「Maya」といった3Dソフトのほか、手軽に制作できる「VRoid Studio」などが挙げられます。

3Dモデルの制作は工程が複雑なため、モデリングやリギングなどを分業で行うチーム制作が主流です。技術的な知識が必要ですが、自由度の高い表現を実現できます。

2Dと3Dの制作コスト・表現力・活用シーンの違い

2Dと3Dの制作コスト・表現力・活用シーンの違い
2Dモデルは、制作コストを抑えやすく、個人や副業で活動するクリエイターにも取り組みやすい形式です。イラストをベースに動かすため、作画スキルがあれば比較的短期間で完成させることができ、感情表現の豊かさやアニメ的な演出を重視する作品に向いています。

一方で3Dモデルは、モデリング・リギング・モーション設定など工程が多く、専門的な知識やチーム制作が求められるため、開発費や工数が膨らみがちです。しかし、ライブ配信やイベントでの立体的な演出、映像作品でのカメラワークなど、空間的な表現が可能で、商業的な展開に強みがあります。

制作目的が「個人の活動支援」か「商業コンテンツ開発」かによって、最適な形式を見極めることが大切です。

目的別に見る2Dモデルと3Dモデルの選定基準

目的別に見る2Dモデルと3Dモデルの選定基準
案件の目的や納品環境に応じて、2Dモデルと3Dモデルのどちらを採用すべきかが大きく異なります。

2Dモデルは比較的手軽に始められるため、イラストが得意な人や個人での発信をメインにしたい人に向いています。制作コストを抑えつつ、感情表現やキャラクターデザインの魅力を重視した活動が可能です。

一方で、3Dモデルはチームで分業しながら本格的に活動したい人や、3DCGの経験がある人におすすめです。立体的な動きやライブ演出、映像制作など、より多様な表現を実現できます。

将来性という点では、技術の発展に伴って3Dモデルの需要が拡大しつつありますが、2Dモデルにも根強い人気があります。

初めてVTuberモデルの制作に挑戦する場合は、まず2Dで経験を積み、将来的に3Dへステップアップするのも現実的な選択肢です。

2Dモデルと3Dモデルの制作に必要なスキル

2Dモデルと3Dモデルの制作に必要なスキル
VTuberモデルの制作には、2Dと3Dでそれぞれ求められるスキルが異なります。

2Dモデルでは、まずデジタルイラスト制作の技術が基本です。キャラクターをパーツごとに描き分け、Live2D Cubismなどのソフトを使って動きを設定します。顔や体の構造を理解したうえで、自然な表情変化や動作を設計する力が重要です。

一方で、3DモデルではBlenderやMayaといった3Dモデリングソフトの操作が必要です。モデリングからリギング(骨組みの設定)、アニメーション制御までを行い、立体的な動きを作り出します。

どちらにも共通して求められるのは、「キャラクターの構造理解」と「表現力」です。魅力的な動きを生み出すには、絵や造形に対する観察眼が欠かせません。

未経験からスキルを身につける場合は、CG検定の学習やポートフォリオ制作を通じて、制作実績を積み上げることが重要です。

VTuber制作に関わる職種とキャリアパス

VTuber制作に関わる職種とキャリアパス
VTuberのモデル制作には、多くのクリエイターが関わっています。特に3Dではチームで分業しながら1つのキャラクターを完成させていきます。

ここからは、VTuberのモデル制作に関わる主な職種と、その先に広がるキャリアの可能性について見ていきましょう。

2D・3Dそれぞれに関わる主な職種


2Dモデルの制作では、主に「イラストレーター」と「Live2Dモデラー」が活躍します。

イラストレーターが「キャラクターデザイン」を担当し、Live2Dモデラーが「パーツ分け」や「動作設定」を行います。個人制作の現場も多く、クリエイター1人が複数の工程を担うケースもあります。

一方で3Dモデルでは「3Dモデラー」「アニメーター」「モーションデザイナー」「リギング担当」「エンジニア」など、より分業化が進んでいます。それぞれの職種が専門的な役割を持ち、モデルの形状作成、動作設定、表情調整、配信環境への適応までを分担して担当します。

企業による3Dモデル配信では、リアルな動きやライブ演出を実現するために、複数の専門職が連携して制作を進める点が特徴です。

キャリアの広がりと将来性


VTuber制作で培ったスキルは、ゲームやアニメ、映像制作など他業界でも高く評価されます。

特にモデリングやアニメーションの経験は、「3DCGデザイナー」や「映像クリエイター」などの職種へ応用可能です。

また、キャラクター表現に携わる経験は、「ストリーミング技術」や「メタバース領域」にも活かせるでしょう。そのため、将来性は非常に高い分野といえます。

VTuberのモデル制作におけるチーム制作経験やプロジェクト管理能力も、大きな強みになります。案件獲得やキャリア形成を目指す場合は、クリエイティブ職特化の求人・マッチングサービスを活用すると効率的です。

2D・3DどちらにもVTuber業界での活躍のチャンスがある

2D・3DどちらにもVTuber業界での活躍のチャンスがある
VTuber業界では、2Dと3Dのどちらにも活躍のチャンスがあります。2Dモデルは個人でも制作しやすく、表情や細かな動きを重視したい方におすすめです。

一方で、3Dモデルは立体的な動きやライブ演出に強く、チーム制作が主流です。いずれもクリエイティブスキルを活かせる分野として注目されています。

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自分の得意分野やスキルに合った働き方を選ぶことが、長期的なキャリア形成の第一歩です。業界でのキャリアを広げたい方は、ぜひ確認してみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者

梅崎栞里
4年制大学のアニメーション専攻を卒業後、アニメーターとして約3年間活動。10作品以上の国内アニメ制作に携わる。現在は、アニメ制作で培った知識と表現力を活かし、イラストレーター兼Webライターとして活動している。