IPコラボとは？商品・イベントなどの事例も紹介

アニメやゲームなどの人気キャラクターと企業・商品がコラボレーションする「IPコラボ」は、マーケティング効果の高さからますます注目を浴びています。キャラクター関連の職種を目指す人にとって、知っておきたい重要なテーマの一つです。

本記事ではIPコラボの実際の事例を交えながら、概要やメリット・デメリットについて解説します。IPコラボ関連の職種もわかりやすくご紹介しますのでぜひご覧ください。

「IPコラボ」とは、広く知られているキャラクターや作品の権利を利用した企業間コラボレーションのことを指します。「IP」とは「知的財産」のことです。つまりキャラクターや作品など、権利が守られているものがIPとなります。そして企業がIPを活用したコラボを行うのがIPコラボです。たとえばキャラクターや作品、ブランドを起用してコラボし、オリジナルのコンテンツを生み出せば、それはIPコラボに該当します。

メリット

IPコラボには次のようなメリットがあります。

● 新たなターゲット層に訴えられること
● 認知度の向上が期待できること
● ブランドイメージが高まる可能性があること
● 的確にファンへと届けられること
● 売上向上を目指せること
● 海外市場への展開も視野に入れられること

IP同士の連携には、新たなターゲット層へのアプローチや認知度・ブランドイメージの向上といった効果が期待されます。片方のIPのファンが、コラボレーションをきっかけとしてもう片方のIPに興味を持つこともあるでしょう。より多くの人の目に触れること、話題性が高まることによって、認知度やブランド価値の向上も期待されます。

また複数のIPのファンがアイテムを購入すると考えられるため、売上の拡大にもつながる可能性があります。IPの種類によっては、海外市場での展開も視野に入ります。

デメリット

IPコラボにはメリットだけではなく、次のようなデメリットもあります。

● 企画の成立には権利者の合意が必要であること
● IP同士の親和性を考慮しなければならないこと
● 独自性が低下するリスクがあること

まずIPには権利が存在します。そのため権利者の合意や許諾を得なければ、コラボレーション自体が成立しないこともあります。仮に権利者からの合意を得られたとしても、IP同士の親和性が低い場合はイメージダウンにつながったり、ファンの心が離れてしまったりすることもあるため注意が必要です。

そしてIPコラボを行いすぎることのデメリットとして、IPの乱用により、独自性の低下につながる懸念もあります。ブランドの価値を損なわないよう、適切なタイミングで活用することが求められます。

成功させるためのポイント

IPコラボを成功に導くための主なポイントは、次の3点です。

● ターゲット層を絞り込むこと
● 希少価値のあるアイテム・グッズを展開すること
● 親和性の高いコラボレーションにすること

中でも重視すべきなのは、ターゲット層の設定です。ファン層の重なりを意識してターゲットを明確に設定することが、効果的なIPコラボには欠かせません。また希少価値のあるグッズを制作して、ファンの購買意欲を高めれば成功しやすくなります。

それでは実際に行われたIPコラボの事例を見ていきましょう。

ポケモン×ユニクロ

ポケモンとユニクロのIPコラボでは、ポケモンのイラストがデザインされたTシャツが発売されました。ラインナップは「ピカチュウ」「ニャース」「ミミッキュ」「ブラッキー」など。大人用だけでなくキッズ用も用意され、大人のポケモンファンはもちろん、子どももターゲットにしていることがわかります。

ユニクロはIPコラボをすることが多く、スヌーピーや攻殻機動隊、エヴァンゲリオン、サンリオキャラクター、ミッフィーなどの人気キャラクターをデザインしたアイテムを多数販売した実績を持ちます。

参照元：ユニクロ公式HP（https://www.uniqlo.com/jp/ja/spl/ut-graphic-tees/pokemon-25fw/men）

ちいかわ×阪急電鉄

阪急電鉄は、現在人気を集めているキャラクター『ちいかわ』とコラボレーションを実施しました。えんじ色が特徴的な阪急電鉄の車両にちいかわのイラストを配置した「ちいかわ号」を製造。2023年8月から運行を始めました。あまりの人気の高さから、撮影時の混雑やトラブル防止のため、注意喚起が行われたほどです。子どもたちとちいかわ号が一緒に映った写真を撮りたがる方も多く見られています。

参照元：阪急阪神ホールディングス株式会社公式HP（https://www.hankyu.co.jp/area_info/chiikawa_hankyu2023/index.html）

ブルーロック×ナンジャタウン

ブルーロックとIPコラボしたのはナンジャタウンです。ブルーロックのちびキャライラストをデザインしたグッズや景品が用意され、グッズとして販売されたり、ミニゲームの景品として提供されたのが話題になりました。またちびキャライラストのパネル展示も行われ、ナンジャタウンへの集客に貢献するIPコラボだと言えるでしょう。

参照元： バンダイナムコグループ公式HP（https://event.bandainamco-am.co.jp/namja/bluelock2025/）

ダンダダン×肉汁餃子

肉汁餃子のダンダダンは、アニメのダンダダンとIPコラボを実施しました。きっかけはもちろん、共通のワードを持っていたことです。ファンからも「コラボしてほしい」との声が多くあがっていたとのことで、ファンの期待に応えつつ、売上向上も見込める事例といえます。

肉汁餃子のダンダダン店舗では、注文の際にオリジナルノベルティカードと肉汁焼餃子の引換券をセットで渡しました。相互の認知拡大と売上増に寄与する取り組みといえるでしょう。

参照元： 肉汁餃子のダンダダン公式HP（https://www.dandadan.jp/）

今後IPコラボに関する仕事を目指す場合は、次のような職種がおすすめです。

● キャラクター制作会社のスタッフ
● キャラクターデザイナー
● キャラクターマーケティングスタッフ

キャラクター制作会社に就職すれば、キャラクターデザイナーやキャラクターマーケティングスタッフも目指せます。そのほかにもキャラクターグッズの製造やキャンペーンの運営に携われることもあるでしょう。

デザイナーとマーケティングスタッフはいずれもキャラクター制作会社に属する職種です。各職種の仕事内容を詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にするとよいでしょう。ご紹介した3つの職種の仕事内容や目指すための方法について解説しています。

≫キャラクターグッズ制作会社の仕事内容！就職・転職方法や求人情報の注意点
≫キャラクターデザイナーってどんな種類がある？目指し方や仕事の流れ、年収も紹介！
≫キャラクターマーケティングとは？成功例や会社への就職・転職方法も紹介

IPコラボとは、権利を有する対象同士が連携し、マーケティング効果の向上を図る手法を指します。キャラクターを起用することにより、商品やサービスの価値を高められることからマーケティングの手法として注目されています。

キャラクター関連の現場で働きたいと思われている方にとっても、企画・デザイン・プロモーションなどさまざまな働き方が選べるため個々の特性やスキルを活かせる多様な活躍の場が想定されます。キャラクター関連の求人情報は、以下のリンクからご覧いただけます。