アニメの制作進行ってどんな仕事?キャリアプランや年収、仕事のポイントを解説!

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アニメの制作進行ってどんな仕事?キャリアプランや年収、仕事のポイントを解説!

「絵を描くのは得意ではないけれど、アニメ制作に携わる仕事がしたい」
「アニメ制作の全工程に関わってみたい」
そんな方におすすめなのが、アニメ制作会社の「制作進行」です。制作進行は、アニメ制作のスケジュールや予算管理に始まり、各部署への仕事の割り振りや進捗の管理、部署同士の橋渡し役など、多岐にわたる業務で作品を支える重要な役割を担っています。本記事では、アニメの制作進行の仕事やキャリアプラン、年収や仕事のポイントについて、詳しく紹介します。

アニメの制作進行って、どんな仕事?

制作進行の仕事は、一言で言うとアニメ制作における"航海士”です。制作中は、スケジュールが予定通りに進まなかったり、トラブル対応に時間を取られたりすることが多々ありますが、制作進行はそのつど進路を調整して軌道修正を行い、予定通りにゴールまで導きます。具体的な業務としては、下記のようなものが挙げられます。

①スケジュール作成と管理

制作進行の仕事は、作品のスケジュールを引き、予算を割り振ることから始まります。制作をスムーズに進めるには、各部署の進行速度を予測した上で、トラブルに対応できるよう、ゆとりを持ったスケジュール計画を行うことが大切です。また、スケジュールが予定通りに進まない場合には制作を外注することも多いため、外注を想定した予算配分を行う必要があります。

②スタッフの手配と情報共有

スケジュールと予算が決定したら、スタッフを手配し、作品のターゲット層やコンセプトをチーム内で共有します。特にメインで制作に携わるアニメーターは、具体的に作品の情報を得る必要があるため、この段階で作品に関する資料はできるだけそろえておきましょう。

③原画のチェックと進行確認・修正指示

納品された原画の質や進行状況をチェックするのも、制作進行の重要な役割のひとつです。アニメーターから直接原画を受け取り、各担当者がスケジュール通りに制作できているかを確認。進行やクオリティに問題があればアニメーターに修正指示を出します。

④最終調整のコントロール

通常アニメ作品は、納期ギリギリまで最終調整を行います。この際、進行とクオリティアップを同時にコントロールするのが制作進行の重要な任務の一つです。納期に間に合うようスケジュールを調整しつつ、監督や演出家の意図を汲んで、修正指示をアニメーターに伝えます。

⑤納品

完成したアニメを依頼先へ納品します。アニメ作品は通常、最終話までの複数のストーリーを同時進行で制作するため、1話納品後も次の話の進行を立て続けに行います。制作が予定通り進まない場合は、外部に制作を依頼しますが、その場合も外注先のスケジュール調整は制作進行の役割です。

制作進行を目指すには?

制作会社に就職して、アニメの制作進行を担当するには、美大や専門学校でアニメ制作について学ぶほか、アニメ制作現場でアルバイトするのがおすすめです。実際に制作進行の動きを見て、スケジュール調整や現場でのコミュニケーション方法を学びましょう。
また、制作進行のキャリアの先にアニメのプロデューサーを目指すのであれば、資金調達や収益化など、ビジネスの視点からアニメ制作を学ぶことも重要です。アニメビジネスの専門知識を得られるカリキュラムを取っておきましょう。

制作進行のキャリアプラン

制作進行は、制作デスクやプロデューサーへのキャリアプランが開けています。本章では、それぞれの仕事について解説します。

制作デスクの仕事

制作進行のトップと言えるのが、制作デスクです。制作進行は通常、1つの作品で2〜6人ほどが動いており、制作デスクは複数人の制作進行の動きを把握しながら、作品全体の進行をコントロールします。
制作デスクにキャリアアップするには、通常5年ほど制作進行を経験する必要があります。ただし、制作進行の人員が少ない制作会社は、制作進行と制作デスクを兼任するケースも見られます。

プロデューサーの仕事

アニメ作品のプロデューサーは、作品の企画立案から予算の決定、資金調達、PR戦略など、あらゆるフェーズで決定権を持ち、作品を成功させ、収益を得るために奔走するアニメ制作の責任者です。制作進行からプロデューサーを目指すには、5〜10年ほどの実務経験を積む必要があると言われています。

制作進行の平均年収

2019年に発表された「アニメーション制作者実態調査報告書2019」※1では、制作進行の平均年収が285万〜300万円。プロデューサーの平均年収は550万〜600万円という結果が出ています。

国税庁が2022年に発表した、「令和3年 民間給与実態統計調査」※2によると、日本人の平均年収は443万円であり、制作進行の年収は平均年収を大きく下回ってしまうものの、プロデューサーにキャリアアップすることで、平均年収を上回る収入が期待できそうです。

【データ引用】※1「アニメーション制作者実態調査 報告書2019」日本アニメーター・演出教会|http://www.janica.jp/survey/survey2019_report.html
※2「民間給与実態統計調査 (令和4年9月)」国税庁|https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2021/pdf/002.pdf

制作進行に向いている人

制作進行には、全体を見渡せる「客観性」、あらゆる人の意見を聞き、まとめる、「傾聴力とコミュニケーション力」、確実にスケジュールを進行していく「タスク管理能力」、トラブルやスタッフのミスにも対応できる「柔軟性」などの素質が求められます。
学生時代に多くの人を取りまとめてひとつの物事を成し遂げた経験のある「リーダータイプ」の人や、予想外のことが起きても心を乱されず、予備のプランを遂行して予定通りに物事を成し遂げられる「冷静沈着タイプ」の人が制作進行に向いているでしょう。

制作進行に必要な資格

制作進行の仕事につくために必要な資格はありません。ただし、新人時代は原画を受け取りに行ったり、スタジオに納品したりと移動が多い制作進行の仕事は、就業条件に普通自動車の免許と運転スキルをあげている企業もあります。近年は、オンラインで納品物をやり取りする会社も増えていますが、制作会社に応募する際は運転スキルが必要かどうかを確認しておくと良いでしょう。

制作進行の仕事のポイント

制作進行の仕事は、ギリギリまでクオリティアップをはかるクリエイターや、予測できない修正やトラブルに柔軟に対応しながら、いかにスケジュールを守り切れるかが腕の見せ所です。そのためには、以下の3つのポイントを意識すると良いでしょう。

①外注先との信頼関係を築いておく

自社のリソースだけではスケジュールが厳しくなってきた時、制作進行が頼るのが外注です。アニメ制作会社は星の数ほどありますが、自社の作品のコンセプトや視聴者層を理解し、クオリティを保ちながら納期を守ってくれる会社を探すのは容易ではありません。制作進行の仕事についたらまず、自社と付き合いのある外注先との信頼関係を築いておくことが重要です。

②制作工程ごとにかかる時間を予想する

アニメ制作はシナリオ、絵コンテ作成を行う「プリプロダクション」、原画制作や彩色、撮影などを行う「プロダクション」、アフレコや編集、納品までを行う「ポストプロダクション」の3つのフェーズに分かれています。どのフェーズでどれだけ時間がかかるのかをできるだけ正確に予測し、時間配分を行うことが、スケジュールをスムーズに進めるポイントです。特に、編集作業の入る「ポストプロダクション」はアニメのクオリティを大きく左右するため、多めに時間を取っておく必要があるでしょう。

③締切を早めに設定する

アニメ制作は最終的な納期から逆算してスケジュールを設定します。しかし、実際にプロジェクトが動き始めると、トラブルやクオリティアップのための修正で予定がずれてしまうケースもしばしば……。完成時の納期だけでなく、各工程にかかる日数も予想した上で、それぞれの工程の締切を1日〜2日程度早めに設定しておくことで、トラブルや修正時にも余裕を持って対応できるでしょう。また、より余裕をもったスケジュール設定が可能な場合は、中間締切や見直しのための時間もスケジュールに加えることで、作品のクオリティアップにつながるでしょう。

【まとめ】アニメの制作進行を目指すなら、業界専門の求人サイトがおすすめ!

アニメの制作進行の仕事は、アニメの制作現場を仕切り、品質を管理する重要な役割を担っています。また、制作進行のキャリアを積むことで、アニメ制作現場のトップとも言えるプロデューサーへの道も開けるでしょう。
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