キャラクター動画とは？作り方や関連職種も紹介

SNSやYouTubeなどで見かけるキャラクター動画は、近年ますます注目を集める表現手法です。企業のプロモーションや教育コンテンツ、エンタメの分野でも広く活用されており、「自分もこんな動画を作ってみたい」「仕事にしてみたい」と考える方が増えています。

本記事では、キャラクター動画の基本から、制作の流れ、使用されるソフト、関わる職種までをわかりやすく紹介します。

キャラクター動画とは、イラストや3DCGで表現されたキャラクターを主体に構成された動画コンテンツのことを指します。実写映像ではなく、アニメーションやグラフィックベースでキャラクターが動き、話し、視聴者とコミュニケーションをとることで、強い印象やメッセージ性を持たせられるのが特徴です。

用途

キャラクター動画は、以下のようにさまざまな分野で活用されています。

● 企業のPR動画
● 商品紹介
● SNS広告
● YouTubeなどのコンテンツ配信
● 教育用の教材
● 自治体の啓発動画　　など

例えば、親しみやすいキャラクターを使って商品の魅力を説明することで、視聴者に覚えてもらいやすくなるほか、子ども向けの教材では、キャラクターを通じて楽しく学べる工夫がされています。

メリット

キャラクター動画の大きなメリットは、キャラクターの個性やバックグラウンドが持つ魅力とコンテンツを結びつけることで、視聴者の記憶に残りやすく、より訴求力の高いコンテンツが制作できる点にあります。また、キャラクターを使った動画は、実際のタレントを採用したものに比べて、撮影場所やストーリーなどに制限が少ないのも特徴。実写では表現が難しいシーンも、アニメーションであれば自在に描くことが可能で、ブランドの世界観やイメージを的確に伝えることができます。

さらに、撮影場所の確保やモデルの日程調整などの労力も含めたコストを大幅に圧縮できる点もキャラクター動画のメリットです。再編集も容易にできるので、頻繁にアップデートが可能な点もメリットといえるでしょう。

デメリット

一方で、キャラクター動画にもデメリットがあります。まずキャラクター動画は、より具体的な情報を伝えたい場合には向いていません。わかりやすく抽象的に表現することには適していますが、その一方で正確な情報を伝えづらいという特徴があります。

また、実際の俳優の演技や表情などに比べるとリアリティという面で劣っており、感情移入や共感が得られにくい点もデメリットといえます。製品やサービス、情報の種類によっては、キャラクター動画が不向きなものもあるため、状況によって使い分けることが重要といえるでしょう。

エフェクトの種類

キャラクター動画では、視覚的な魅力を高めるためにさまざまなエフェクトが使用されます。例えば、キャラクターの動きを滑らかにするモーションエフェクト、セリフに合わせたテロップ表示、カットの切り替え時に挿入するトランジション、臨場感を演出する効果音やBGMなどがあります。こうしたエフェクトを適切に組み合わせることで、より印象的でプロフェッショナルな動画に仕上げることが可能です。

必要なソフト

キャラクター動画の制作には、目的やスキルに応じたさまざまなソフトが使われます。After EffectsやPremiere Proはプロ向けの編集ソフトとして定番で、高度なモーショングラフィックスや合成編集が可能です。初心者向けには、FilmoraやVyondなど直感的な操作が可能なツールも人気があります。

また、キャラクターアニメーションにはLive2DやBlender、CLIP STUDIO PAINTなども活用されます。それぞれのソフトで異なる特徴があるため、目的に応じて複数のソフトを組み合わせることでクオリティの高い作品が作れるでしょう。

キャラクター動画は、単に動画を作成するだけでなく、企画から公開まで複数のステップを経て完成します。ここではキャラクター動画の作成で必要な各ステップのポイントを詳しく解説します。

制作を企画する

最初のステップは企画段階です。ここでは、誰に向けたどんな目的の動画を作るのか、作品を通じて何を伝えたいのか明確にすることが重要です。ターゲット層の設定、伝えたいメッセージ、使用するメディア（YouTube、SNS、Webサイトなど）を決めた上で、全体の構成やキャラクターの役割を整理します。場合によっては、簡単な絵コンテ（ストーリーボード）を用意して、動画の流れを可視化しておくとスムーズです。

素材を準備する

次に必要なのが素材の準備です。キャラクターイラスト、背景画像、音声、BGM、効果音など、動画に使用するさまざまな素材をそろえておきます。自作する場合もあれば、外部クリエイターに依頼することもあります。キャラクターがメインとなるため、表情差分や動きの素材はしっかり準備しておくことが求められます。

編集する（アニメーションや音楽など）

素材が揃ったら、編集作業に入ります。キャラクターに動きをつけるアニメーション作業、音声の挿入、BGMとのバランス調整などを行い、ストーリー性のある一本の動画に仕上げていきます。

編集作業では、使用するソフトの機能を熟知しておくとともに、視聴者が飽きないテンポ感や演出を意識することが重要です。ナレーションとキャラの動きが一致するような編集も、完成度を高めるポイントになります。

公開する

編集が完了したら、動画の公開準備を行います。公開媒体に応じて形式やサイズを最適化し、サムネイルや説明文を整備して投稿します。YouTubeであれば、SEO対策を考慮したタイトルやタグ設定も効果的です。また、著作権や肖像権の確認を必ずしておきましょう。公開後の反応を分析し、改善点を見つけて次回作に活かすことも継続的な動画制作には欠かせません。

キャラクター動画の制作に関わる職種には以下のようなものがあります。

● キャラクターデザイナー
動画に登場するキャラクターのビジュアルを設計します。

● キャラクターモデラー
Vtuberなどに使用されるキャラクターを2Dや3Dでモデリングします。

● コンテンツクリエイター
実際に動画で使用される背景やBGMなどを制作します。

● コンテンツディレクター
コンテンツ全体の方向性や工程管理を主軸に全体の進行管理を行うのが主な役割となります。

● 声優・ナレーター
キャラクターに命を吹き込む声を提供します。

キャラクター動画の関連職種に関する詳しい情報を以下でもご紹介していますので、参考にしてください。

≫Vtuberのキャラクターとは？作成方法やモデラ―・デザイナーなどを解説
≫コンテンツクリエイターとは？仕事内容・年収・求人探しの注意点などを解説
≫キャラクターモデラーとは？年収や未経験から目指す方法、求人探しの注意点など

キャラクター動画は、ブランド表現や教育、広告などさまざまな用途で活用可能な映像コンテンツです。シーンやコストの制限が実写に比べて少ないため、自由な表現が可能な点が魅力。魅力的なキャラクターを通して視聴者の心をつかみ、伝えたい内容を効果的に届ける力を持っており、PRやブランディングに欠かせない表現手法となっています。

キャラクター動画制作には、キャラクター制作などのほかにも、動画コンテンツに関する職種など、さまざまな職種が関わります。日本唯一のキャラクター業界限定の転職サイト「キャラ転」では、キャラクター動画に関するさまざまな職種の求人情報を掲載しています。キャラクター動画の制作に関わりたいという方は、ぜひご紹介した職種を検討してみてください。